私と写真撮るの?

日記 , やぁ! ,

私と? 写真撮るの? 本当に? いいわよいいわよ」
「この格好? こう? いい? ヤァ!」
イタリア語は、まったくわかんないけど、「LATTERIA」のマンマはきっとこう言っていた。
そしてこの素敵なヤァ!
この店に皆が来るのは、おいしい料理を求めるだけではなく、マンマと話がしたくて、笑顔に会いたくてやってくるのに違いない。
狭い店には、次から次と常連客がやってきて、満席に悲しい顔をして帰って行く。
予約不可。カード不可。観光客皆無。
ミラノ風のこってりした料理ではなく、軽やかだけど、心を温める。
シンプルだけど深い味がある。
客全員がイタリア人でミラノっ子(たぶん)で、主菜だけの人、前菜とパスタの人、フルコースの人と、様々である、
客同士も知り合いが多く、あちこちで挨拶が始まる。
「今日は何食べたの?」
「ポルペッティ」。
「いいわね。私もそうしよう」。
マンマの笑顔には、愛し愛されてきた店だからこそ生まれた、徳が宿っていた。