独活 旬の歳時記

食べ歩き ,

「歯触り以外に、なにがいるのだ」。

ウドは問う。

微かな香りに、ほのかな甘みと苦み、香りが漂うが、それよりも痛快な歯触りが圧倒する。

晩冬の酒亭にて、ウドの酢味噌和えにぬる燗を合わせながら、「シャクシャクッ」と音を立てていると、勇壮な気分になる。

ウドは、陰気な穴蔵育ちなのに、なぜこんなに溌剌としているのか。

恐らく最初に育成方法を発見して食べた人は、そのあたりに希望を見出したのではないだろうか。

 

3月から5月