これが、本当の贅沢ではないだろうか。
高知の朝市で、野村さんの三年ものの大根古漬けと2年ものの蕪を入手。
写真の大根は、右が2年もの、左が三年もの。
二つ買って300円。
「安いですね」というと
「道楽よ」と返された。
無農薬で作った太い大根を、二週間干し、漬け込む。
漬け込むほどに小さくなっていく。
みなぎる大根という生物の力に微生物がまぐわい、熟れ、噛むほどに複雑な旨味が広がる。
方や和田さんの10年漬けの梅干しである。
もう溶けかかりゼリー状になった梅干しは、塩も丸く、酸味も丸い。
その和田さんが手作りしちゅうわらび餅は、根性がある。
その隣ではタコスを焼いているので、買ってみた。
なんといってもトルティーヤ自体がおいしい。
香ばしくてしぶとい味がある。
聞けば地元のとうもろこしだという。
地きびと呼ぶ甘くないとうもろこしを、昔から作って、おばあちゃん達が粉にしていたという。
遠く南米原産のとうもろこしが、いつしか日本に渡り、原産国と同じ甘くないまま粉にされ、タコスにされる。
食物伝来の遥かなる距離と悠久なる時を、想う。