朝食二軒目は豆乳屋。
こちらも看板が見当たらない。恐らく店の前にぶら下がっているボロキレに書かれているのが店名か?
昨日の店は分業制だったが、ここはおっちゃん一人が生地を千切り伸ばし畳み、成形し、焼く。
あれだけ柔らかい生地を、何回も折り畳むのは至難の技だが、彼はなんなく瞬く間にやってしまう。
日本のパティスリーに務めれば、高給は間違いない仕事の的確さと早さである。
その焼餅は、何層にもなっていて天使の羽根のように軽い。
昨日の焼餅より、こちらの方がパートフィロ(この例えは焼餅は失礼だが)に近い。
ただしパートフィロが小麦粉にバターを練り込んで折り畳むのを繰り返すのに対し、こちらは小麦と油を混ぜた玉をいくつか入れて生地を作る。
人間の智慧と言うのはたいしたものだなあと思う。
油がサラダ油なのは残念だが、この値段なら致し方ない。
豆乳の方は昨日よりあっさりとした味わい。
三軒目は、饅頭屋である。肉まん、野菜まん、餡まんが店頭で次から次へと蒸し上げられている。
写真を撮ろうとしたら、ダメだと大声で怒鳴られた。
技術流失を恐れているのかと思って、Jamesに聞いたら違うという。
国税局に過少申告しているために、これだけ作って売れている写真を撮られたくないのだという。
これもまた、台湾なのである。