時代に取り残された味は、しみじみと心を温める。

食べ歩き ,

年に数えるほどしかラーメンを食べない。
好きであるけど、専門家がいるので、その領域は犯さないと、食べることはない。
それゆえたまに時間が空いてたべるときは、最新の店や話題の店では無く、醤油味がこっくりと濃い、昭和のラーメンである。
ここにノリが入っていて、麺はちぢれて欲しいが、ゼータクは言うまい。
時代に取り残された味は、しみじみと心を温める。
隣の紳士はやはり中華そばを頼んで、スープをまずすすって、天を仰ぎ、途中ですをひと回しかけ、途中で胡椒をかけた。
後ろの着物を着た80代のおばあちゃんは、タンメンと餃子を日経を読みながら、ペロリとたいらげた。