旬の歳時記 おはぎ

食べ歩き ,

春がぼた餅、秋がおはぎなら、夏と冬は?

なんでも、夏は「夜船」、冬は「北窓」と呼んだという。

この餅は半づきであまりつかないゆえ、「搗き知らず」を「着き知らず」と洒落、夜は船が着いたのがわからないので「夜船」。

また冬は,「月知らず」と洒落て、月が見えない「北窓」と呼んだ。

いかにも自然と共生し、敬愛してきた日本人の風情である。

月を見ながらそんな風情を、小ぶりなおはぎと共に噛みしめたい。