旬の歳時記  ぼた餅

食べ歩き ,

同じ菓子ながら、季節に合わせて春ぼた餅(牡丹)、秋はおはぎ(萩)と呼ぶ。

春は山野に収獲をもたらす山神に供し、秋は収獲に感謝する。

冬を越して固くなった小豆の皮を取って漉すので、ぼた餅はこしあん、小豆の収穫期のおはぎは、粒あんが正式だという。

そんな風習がすっかり薄れた現代でも、外で食べるとおいしい。

温んできた陽と緩やかな春風が、ぼた餅を、いっそうおいしくさせる。