料理は、切る、叩く、千切る、から始まる

日記 ,

「料理は、切る、叩く、千切る、から始まる。だからまずその三つをきちんとなさいなさい。そう私は料理の先生から言われました。今日のお皿は、その言いつけを大切にしてきた私の思いを形にしてもらいました」。
そう大塚瞳さんは言われて、有田の窯元の手による器を紹介した。
「切る」は、アンティークのナイフが、皿の一端を切ったまま固定されている。
酒饅頭を手で持って食べながら、「切る」意味を考える。
「千切る」は桜の葉を模して、様々な形に千切られた皿である。
テラミソをつまみながら、千切ってもなお生命力を保つ食材のことを思う。
「叩くは」器の底を、丹念に叩いたという小鉢であった。
うまくなれ。うまくなれ。うまくなれ。と念じながら叩き続ける、食材との対話に、想いを馳せる。
料理を食べるということは、一皿に込められし、多くの人間の思いを味わうことなのである。