建物は、山奥に忽然と現れた

日記 ,

建物は、山奥に忽然と現れた。
清涼な空気の中でひっそりと息づきながら、人間を鳥たちを、風を雲を待っている。
閑寂とした景色の中では、明らかに異形ながら、馴染み溶け込んでいる。
さらに歩みを進めて、町に降りると、変わった造形と外観を持つ、図書館や役場、道の駅、デイケアの施設があった。
それらもよく考えれば、異次元からの侵入者のような姿なのだが、浮く事なく、目立ちすぎる事なく、自然に屹立しているのであった。
さらに不思議なことは、周囲の当たり前の田舎家までもが、ある種の風格を漂わせて、町全体か特別な時間で覆われているのである。
高知県梼原町、隈研吾の作品に囲まれて。