座るなり「餃子」と頼む。
餃子を焼き始めた頃を見計らい
「ビール」、と頼む。
冷たいビールとザーサイを入れた小皿が運ばれる。
このザーサイでビールを半分、ゆっくり飲む。
すると丁度餃子が運ばれてくる。
餃子についてきた小皿には酢と胡椒。
ザーサイが入ってきた小皿には、酢と醤油とラー油、少し一味。
箸でつかむとずっしり重い。
まず酢と胡椒に付ける。
口に運ぶ。
自家製の皮がカリリと音を立てて弾け、香ばしさが鼻に抜ける。
皮にもちりと歯がめり込むと、肉のあんに到達し、
ほの甘い肉汁が飛び出しそうになるので、慌てて、吸うように齧りつく。
そこへすかさずビール。
うまい。
次に酢醤油ラー油。
皮に歯が包まれると、気分が優しくなる。
再びビール。
うまい。
環七通りに面したどこにでもありそうな。小汚いラーメン屋。
申し訳ないが外観も内観も、とても料理は期待できない。
ところが餃子500円が、驚くほど正しいのだ。
誠実な味わい。
餃子の命は皮である。
そのことを、中野「十八番」の餃子は証明している。