小さなパン屋がある。

食べ歩き ,

週末の昼だけ銀座に店を開く、小さなパン屋がある。
をのオーガニックで、香り高いパンたちがカウンターに並び、その後ろには作り手の高田さんが、すくっと立っている。
初めてお会いした時、僕よりはるかに年下なのに、母のような人だと感じた。
涼やかないつも微笑んでいるような眼差しに、慈愛がにじんでいる。
ちょうど寝ている我が子を見るような眼差しである。
そんな方が作るパンは、味がふくよかで優しい。僕が気に入ったのは、赤ワインと伊予柑を練り込んだパンで、止まらなくなった。
今週もあの穏やかな眼差しでお客さんを待っていることだろう。
でもバンを作る時だけは、キリッとするのがな?
ラトリエドコッコ