小さくとも自然薯だい

食べ歩き ,

  • 小さくとも自然薯だい

「小さくとも自然薯だい」
球芽のむかごはつぶやいた。
番茶のような甘苦い香りを放つむかごご飯を口に運ぶと、微かにヌルッと微かに甘い。
自然薯の気配を優しく備えた滋味がご飯と寄り添い、笑みを浮かべさせる。
そして噛んでいくと、淡い苦みと土の香りがにじみ出る。
しみじみと、しみじみと。幼い山の精気をいただいた。

辻留にて