木更津「クルックフィールズ」のレストラン「perus」

基本という名のレストラン。

食べ歩き ,

西の丘に夕日が沈んでいく。
夜は、足元から忍び寄り、辺りを闇に染めていった。
暗闇に一軒、木々に囲まれた丘の上のレストランが明かりを灯す。
中に入ると、厨房越しの大きなガラスには、梅の木とグレープのフルーツの木が浮かび上がっていた。
幽玄を感じさせる光景に、心が座る。
一皿目は、白い球だった。
半透明の白濁した液体の中から、白い球体が引き上げられ、皿に置かれる。
透明なトマト水とバジルウォーターの中に座ったそれは、出来立ての水牛のモッツァレッラである。
「ナイフで切られても、スプーンで千切られても、箸でもどうぞ」と、言われたが、できれば指でつまみ、齧りたい。
艶々と輝く白い宝石を見ながら、そう思う。
しかしそういうわけにもいかないので、箸でむんずとつまみ、齧りついた。
その途端、乳が、初々しい乳が、舌に流れ出た。
優しいような、懐かしいような、純粋を極めた甘みが、舌の上をたゆたう。
言葉が出ない。
なにも発せない。
ピュアなるものに触れた気高さに、心が震える。
それはまだ呼吸の音が聞こえる、目の前の牧場で絞られた乳、目の前の農場で採られた野菜。近隣の猪と魚による料理の始まりだった、