初タンドリーチキン。

食べ歩き ,

タンドリーチキン暦は、50数年になる。
インド料理店では必ず頼み、本場でもいただいた。
しかしこんなタンドリーチキンには、出会ったことがない。
テーブルに金色の壺が運ばれると、給仕人が串を刺し入れる。
すると、朦々たる湯気とともに、タンドリーチキンが現れるではありませんか。
鶏肉は、香菜の緑とパプリカの赤をまとって、艶やかに輝いている。
たまらず齧れば、スパイス香が弾け、ヨーグルトの柔らかな酸味がきて、鳥の滋味が追いかける。
そう書いたが、それらが瞬時に口の中で膨らんで、笑顔を生むのである。
18時間漬け込んだという肉は,しなやかで、馴染んで丸くなった調味料と共に、食欲を煽ってくる。
そのまま齧り、途中からチャパティで包んで食べるのがいい。
インド人はやらないそうですけどね。
このまま一気食べちゃいそうになりますが、ちょっと待った。
特製コリアンダーチャツネをたらし、レモンを一絞りして、齧りましょう。
これがやめられない。
ローステットチャナの旨味が下支えし、新鮮な香菜の香りが抜けていくこのチャツネの虜となる。
そして最後は骨を持ってしゃぶりつくす。
2ピースはいけるので、一本はそのまま食べ、もう一本は、レモンを絞り、チャツネで食べるのもいいしょう。
どなたか、一度一緒に行って、二人で齧りつきたいです。

京橋「ボンベイシズラー」にて