初めて生ハムを作った

日記 ,

初めて生ハムを作った。
姫木平にある、ジャンボンドヒメキの藤原さんの工房でやらせていただいた。
といっても、一部の仕込みだけなので、1時間くらいである。
豚肉の中に残っている血を、揉み出す。
つま先から付け根の断面に向けて、筋に沿って押してゆく。
あたりは氷点下である。豚肉も冷えている。
かなり肉は冷たいが、かまわず力を込めて押し込んでいく。
すると骨先のあたりから、じゅるると血が滲み出てくる。
さらに力を込める。指が肉にめり込んでいく。
先日の失神しかけた、鹿児島治療院での筋膜剥がしを思い出す。
痛いだろうなあ。
左の方が、僕が持ち込んだ日本でもトップクラスの三元豚で、奥が北アルプス山麓で飼われている大黒黒豚である。
肉自体の香りは黒豚の方が甘い気がする。肉を押してみると、三元豚の方が柔らかく、脂の融点は三元豚の方が低い。
黒豚の脂は、蝋のようにペッタリとして、個体差があるとは思うが、肉自体が盛り上がっている。
この後塩をパン粉のようにたっぷりとかけて、熟成庫でじっくり寝かせてもらう。
その後醤油の麹菌をつけてもらい、カビたちの活躍によってタンパク質はうま味成分に変化していく。
文字通り山で作られる、ハモンセラーノである。
あと一年後、高校生の愛情をたっぷりと受けて育った愛農ナチュラルポークは、初めてのハモンセラーノとなって、僕の手元に届く。