京都肉会議。

食べ歩き ,

京都肉会議。
「南山」さんプロデュースの元、「木下牧場」の近江プレミアム牛「えがけん」号を、「サカエヤ」新保さんが一ヶ月熟成させ、それを「Le 14e」の茂野シェフ、「大鵬」の渡辺シェフ、「イル・デンテ・ディ・レオーネ」の関シェフが料理を作り、「エーテルヴァイン」の江上さんがワインを選ぶというイベントである。
タルタル、カルパッチョ、ステーキ、すね肉の煮込み、パスタ、焼肉、インボルティーニ、麻婆豆腐……。
様々な料理となった「えがけん」は、牛肉としての尊厳があって、どのように加熱味付けされても、自身の品格やたくましさという個性を輝かせる。
丸く甘い香りが、舌をいたわる、タルタル。
凛々しい脂の甘みと肉の鉄分が混ざりあった肉のエキスが、噛むごとに溢れる、ロースのステーキ。
煮込んでいるのにしなやかで、たくましいコラーゲンがほろりと甘く崩れて、笑いを生む、すね肉の煮込み。
ラグーソースから滲み出る肉の甘い香りに、体が弛緩するような穏やかな気分になる、パスタ。
各部位から人間の舌に挑むかのように、甘味や酸味、香りがこぼれる、焼肉。
撫でなられながらひっぱたかれているような、肉の優しさと辣が口腔で炸裂する、麻婆豆腐。
生産者、精肉業者、料理人、食べる人。
幸せな食の循環がここにある。
肉を愛し、敬意を払う人たちの、立場を超えた心の繋がりこそが、明日を作る