「うまいっ」。
一口食べた瞬間、、思わず叫びそうになった。
しみじみとうまい。
幸せ満ちる。
理由はいくつかあった。
2.夜10時に炭水化物とケチャップを摂取するという、罪悪感。
3前にいつ食べたかわからない,久々のチキンライスとの逢瀬。
4なんとも切ない量。
5カクテルを飲むカップルに混ざって,一人チキンライスを食べる悦楽。
合わせる酒を考えたが,待つ間にジントニックを飲み、チキンライスには合わせずに、没頭することにした。
少ないので、ちびちびと食べながら、じっくりとと味わう。
食後酒として、ホットウィスキートディを頼む。
しかしこのチキンライスを考えた人は,偉い。
明治21年に出された「軽便西洋料理法指南」によると、鶏のフォンで炊いたご飯にサフランで色と香りをつけるとある。
つまりピラフなのですね。
サフランを無視すれば、海南チキンライスに近い。
だが鳥出汁で炊く、高価なサバランを使うということは、軽便ではなく,サフランからトマトの裏漉しに変化し、炊き込みご飯から白飯に変化し、大正に入るとケチャップへと変遷し、ほぼ今の形になっだという。
豚肉ではなく,鶏肉を使ったという点も素晴らしい。
明治時代は,豚肉より鶏肉の流通量が多く,大正時代は,鶏肉の方が高価だったという理由もあるのかもしれない。
チキンライスは、オムライスの誕生によって、洋食ご飯料理の主役を譲るが、侮れない。
一人ホットウィスキー を飲みながら,そんなことをつらつらと考えるのであった。