世の中も均一では面白くない。

食べ歩き ,

お米が茶色に染まって、輝いている。
「ほうら、おいしいよ」と手招きしている。
煮魚を食べ終え、最後に煮汁をちょいとかけたご飯が大好きだ。
煮汁はかけても、混ぜ込まない。
そりゃあ混ぜて混ぜて、煮汁と米が渾然一体化したご飯もおいしいよ。
でも、この白と茶のコントラストが好き。
煮汁がしみて旨味を増した米と、米の甘みを純粋に感じられる米の混在が好き。
目をつぶって掻き込めば、舌はその両者を感じ取る。
そのときなにか、「食べているぞ」という実感が湧き上がるのである。
世の中も均一では面白くない。
異なるものが混ざり合い、その差異に面白さを感じ取れる時こそ、生きている感が高まるように。