西麻布「NO CODE」

レストランに行く理由。

食べ歩き ,

「NO CODE」は、心底楽しい。
出来てまだ数ヶ月だというのに、二回も行ってしまった。
フランス料理のテクニックを駆使しながら、シェフのしなやかな感性で繰り出される料理も素晴らしい。
ワインを、どしどしと、たっぷり注いでくれるのも、たまらない。
打線に切れ目なく、変化に富んだ、どこにもない料理も、心弾ませる。
だが米澤シェフとお客さんたちが、様々な話をかわしながら、ときには真面目な話をし、ときには馬鹿話や冗談をかわしながら、進んで行く時間が、この上なく愉しいのである。
仲のいい友人宅に招かれて、家主が料理を作りながら談笑し、酒を飲んでいる。
そんな感覚がある。
一枚のカウンターを隔てた、シェフとお客さんの距離感が、絶妙なのである。
それはカウンター自体が、巧みに計算されて作られていることもあろう。
米澤さんのお人柄もあろう。
だから
お客さん同士の距離も縮まる
だから
馴染みの居酒屋に出かける気分で、出かけてしまう。
そして思うのである。
ああ、今夜は楽しい夜だったなと。