セントラル

食べ歩き ,

  • RIVER COTTON 140m

  • Nut 葉の中に海藻とナッツ

  • RIVER COTTON 140m「木綿の

  • DESERT PLANTS 230m

  • マメイフルーツ(柿に似たねっとり

  • SPIDERS ON A ROCK

  • HIGH SIERRA LAKE

  • DIVERSITY OF CORN 2010m

  • DIVERSITY OF CORN 2010m

  • JUNGULE SCALES 230m

  • ANDEAN PLATEAU 3800m

  • スモークしたコカのパン

  • MARINE SOIL

  • TREE SKINS2300

セントラル

セントラル
現在世界で最も注目を集めているレストランと言っていいだろう。2016年度世界のベストレストラン50では、NOMAを抜いて第4位、2015年度ラテンアメリカのベストレストラン50第1位にランクインしている。当然ながら、南米で最も予約が困難なレストランでもある。
 Virgilio Martinezシェフは、37歳。当日に挨拶もしたが、スリムな体にえんじ色のTシャツと濃紺エプロンをつけ、キッチンを飄々として動いている。ただし眼光鋭く、顔は笑っていても目は笑っていないような印象があり、目の奥には、確固たる料理哲学と野望が燃えている気がした。
料理は4種類のコースのみで、

「セントラル」での、18皿、前半編
MASTER ELEVATIONS MENU�マスター・エレベーションズ・メニュー

1)RIVER COTTON 140m「木綿の川」
 Pacay・巨大ソラマメの型値で、英語では「アイスクリーム・ビーンズ」あっさりとしたバニラアイス味・shrimp/nut/huito
 なにか処理してあるのだろうか? 生で食べたPacayと違い、シコッもちっとした食感で、ココナッツ的甘さが流れる。
Huitoとはなんだろう? いくら探してもわからない。黒い温かいスープで、ほろ苦い香りの中に深い酸味があって、しみじみとうまい。酸味で食欲が起きる。
Nut 葉の中に海藻とナッツが閉じ込められていて葉ごと食べる。海藻とナッツ、葉っぱそれぞれの香りが入り交じる

2)DESERT PLANTS 230m「砂漠の植物」
HUARANGO • Yellow Chili・
左の皿は、フアランゴ(乾燥地帯に育つ灌木)のパンで、玉葱とルクマ(アンデス産フルーツ)のクリーム添え。右は、アヒ・アマリージョ(黄色い唐辛子)のクリームのせ。右の皿は、マメイフルーツ(柿に似たねっとりとした果物)を練り込んだバター。上にはマメイの花。小さいながら、味のバランスが素晴らしい。砂漠で育つフアランゴの底力を示したかったのだろう。

3)SPIDERS ON A ROCK –5M「岩場の蜘蛛」
Sargassum(海藻)/Musselイガイ/Crab/Abalone
サルガッスムのフォーム、海藻のピクルス、イガイと鮑とクモガニ。一口で食べれば、イガイや鮑の食感を楽しみながら、全体の芯の通った酸味に惹かれる。口から無くなるし手前で蟹の甘みが立ち上がり、喉に落ちると海藻の香りが漂う。岩場に生息する生きもの達の競演。
ペルーのヴァン・ナチュール ALBITA すっきりとした飲み口ながら複雑なニュアンスを含んでいる。下の何品かと相性よし

4)HIGH SIERRA LAKE 「山脈の湖」2500m
MASHUAマシュア(アンデス産塊茎) /Paicoハーブ/ DUCK •/ZAPALLO SQUASH南瓜の一種:干した鴨! の凝縮したうま味と南瓜の優しい甘みが抱き合う、不思議なスナック。ここにも巧みに酸味が隠されて、全体の味のバランスを整えてある。突飛なだけでなく味の構築が実に精妙。

5)DIVERSITY OF CORN 「トウモロコシの多様性」2010m
CORN •/Ginger/Honey/Tunboトゥンボ(パッションフルーツの仲間)PASSION FRUIT
赤トウモロコシのクラッカー。紫トウモロコシと黄トウモロコシ、蜂蜜のプディングを円盤状にして重ねあわせたもの。この小さい中に、紫の薄い甘みと黄色い甘みとの出会いが繊細に表現されている。また円筒状の器は、上にトウモロコシとアヒ・アマリージョのチップ、スープは、トウモロコシ、トゥンボ、虎のミルクを合わせたもの。パッションフルーツのようなエキゾチックな甘酸味とトウモロコシの甘みが出会って、色気を漂わすのに驚く。この皿も酸味があるが、それぞれの皿での酸味の強さや深さ、あるいは甘味や苦みとであったときの印象が異なるように、計算されている。そして酸味がある分、多皿でも飽くことがない。

6)JUNGULE SCALES 「ジャングルの鱗」
230m River snails/Gamitana/turmeric/Sangre of Arbol
淡水に棲むピンク色のチュロ(巻貝)、塩漬けにしたガミタナ(ピラニアの仲間)、ターメリック、木の血(樹脂)をあわせ、鱗に見立てたチップ。ゆっくりと咀嚼すると魚の味が滲み出てくる。

7)ANDEAN PLATEAU 「アンデス高原」3800m
TUNTA トゥンタ(冷凍乾燥芋)/Tarwi大豆をしのぐ40gものたんぱく質を含む豆/cocaコカ/cancha corn
トウモロコシのパンとスモークしたコカのパンに、乾燥させたトゥンタのポテトチップス。トーステッドバターと、アヒ・マリージョにフレッシュチーズ 、オリーブオイルのクリームチリソース添え、�ポレンタのような素朴な甘さを持つ、ボソっとしたトウモロコシパン、芋の香り漂わせながらガリッと弾けるチップス、ふんわりとしたコカパンという三様の食感が楽しい。パンはこうして、料理の一皿として出され、後からサーブされることはない。
中でもコカパンがいい。烏龍茶的香りと葉緑素的香りにほんのり燻香が漂う。恐らくも油脂や等分を補ってもっとおいしくできるのだろうが、そこを押さえてコカの粗野な香りを生かしている。

またクリームチリソースが素晴らしい。唐辛子のうま味と香りだけを抽出させチーズやオイルでコクや滑らかさを補ってあるが、チーズもオイルも出過ぎずに、唐辛子を立てている。食べればパッションフルーツのような甘い香りがして、微かに潜む辛味が心憎い。

8)MARINE SOIL 「海底」-20m
CLAMS • PEPINO MELON • SWEET LEMON:
マテ貝のタルタルとスパニッシュ・サバイヨンソースを、ペピーノ(スィートキューカンバー、メロンに似た野菜)とスイート・レモンのスライスをかぶせ、ルリジサの花を添えてある。メロンのような香りを放つペピーノとマテ貝の甘い汁が、艶っぽく出会う。そしてスライスの薄さが中の軽さとあわせてあり、口の中で同時に溶けていく。

9)TREE SKINS 「樹皮」2300m
AVOCADO /huacatay/KIWICHA穀物の粒/macreヒシ
日本では味わうことが出来ないねっとりと濃厚なアボカドクリームに、huacatayワカタイ(シオザキソウ、ミントのような香りのするハーブ)や、KIWICHA�A穀物の粒やmacreヒシがアクセントする。