シウマイ弁当

マグロの謎。

駅弁 ,

新幹線の中で、中学生が1人シウマイ弁当を食べていた。
妙に嬉しい。
初めての、希少な中学生との勝負になるはずだったが、あいにく今日は駅弁を食べていないので、勝負にはならない。
反省しきりである。
見るとおかず手前派である。
スマホをいじりながら、悠然と食べていた。
終わるぐらいに覗いてみると、経木に張り付いた米粒を、箸でひろいあげている。
ご飯好きなのね。
しかし、おかずを見て愕然とした。
ご飯は食べ終わっているのに、マグロと生姜などのお新香が、手つかずで残っている。
筍も10数個残っている。
単にマグロ嫌いなのか。
中トロか大トロの刺身しか食べない、おぼっちゃまなのか。
アレルギーなのか。
魚嫌いなのか。
父親がマグロ漁師で、食べ飽きてしまったのか。
箸で取り上げられず、ひと齧りもされずに残っているマグロが、痛々しい。
さらに何故、筍は残したのか?
筍を半分量は食べて、残したのか?
ベース配分を間違えたのか。
途中から、歯が痛くなったのか。
途中で、嫌いだったことを、思い出したのか?
食べている途中で、筍掘りの苦い思い出が、トラウマとなって蘇ったのか?
わからない。
気になってしょうがない。
だが僕は、結末を知らずに、先に降りなくではいけない。