ポテトサラダ東京十傑

<ポテトサラダ東京十傑>
学会で協議、決定した10傑2011年版を掲げる。
尚今回10傑では、近年課題となっている新潮流は、外された。
あくまで保守コンサバの視点から、王道を選び抜いた。

第10位
人形町・笹新
店ではだれもが頼む。
なにしろ座ってすぐ「ポテトサラダ」という客も多い。

ポイント1は、常温。店のカウンターに置かれている、ポテトサラダは出来立てはマヨの香りが出すぎる。冷めすぎては、芋の味がない。
しばらく置かれたなじみ具合と香りの出方が、ほのぼのとした良さを感じさせる。
ポイント2は、魚肉ソーセージ。その下味が燗酒を呼ぶ

第九位新馬場 牧野
「全潰れ」系の代表。徹底的につぶれた滑らかな食感にうっとり。
盛りの良さにほろり。
こいつは箸でなく、添えられたレンゲで食べると我を忘れる。

第8位
浅草 喜美松
ポテサラ界のチョモランマ。
その雄大なお姿に、思わず頬ずりしたくなる。
麓に添えられし、キャベツの千切りをからめてもまたよし。
大勢で取り分けるのもいいが、
ポテサラ好きなら単独登頂に臨むべし。
形の残った芋の大小の食感も面白い。

第7位
向島 料亭「波むら」
芋の味が温かく広がって、思わず心が緩む。
お座敷でいただく上質な料亭ポテサラ。
細かく細かく切られた胡瓜、葱、人参、薄く切られた玉葱。
程よい味付け。
板前の矜持が光っている。
そして隣には、きれいなお姉さん

第六位 荒木町 「羅無櫓」
居酒屋界のアンナプルナかマッターホルンか。
その白き頂に箸を突っ込めば、芋の香りに満ち満ちて、
思わず笑いがこぼれる。
また、かそけき甘味の加減が、芋焼酎とも合うんだな。

第5位 十条 斎藤酒場
適度に濃い味付けで、出しゃばらずに酒を飲まそうという心根が滲む、大衆居酒屋の基本。
店内の光景とも、見事になじんで、
この店に来た喜びを噛みしめさせる。

第4位 神保町「七條」
さりげない美しさ。
料理を陰で支え、合いの手となってぐいぐいと食べ進ませる原動力。
程よい甘みと酸味のバランスが素晴らしく、優しい味わい。

第3位 富ヶ谷「花とら」
新潮流の草分けではないか。
サツマイモとジャガイモを使ったそれは、一口ごとに味が変わる、
エンタテイメント性がある。
それでいて「芋の良さを引き出す」という基本が貫かれている。

第二位 香味屋
その滑らかな食感と味わいは、洋食屋としての矜持を感じる味わい。
古き良き誠実が息づく。
甘味を少し聞かせてあるのも昔風で、それが笑みとご飯をも呼ぶ。
(写真が古くてすいません)

第一位! 青山「ぼこい」
うますぎないうまさ。
しかし心の内からほっこりとうまく、笑顔呼ぶ。
料理の引き算が出来た、ほどの良さ。
いい意味で、上品と下品の中庸を行く。
芋の香り、玉子のうま味、両者を引き立てるマヨネーズの味、ベーコン
の隠し味。
なにを食べさせたいのか明確であり、
料理としての均整美がここにある。