タイに来て魚介に驚くとは思わなんだ。
「KRBP」という店で、まず出されたのがこれである。
開いて干した川魚を揚げた料理だという。
バリっと噛み締めれば、コレがじわじわとうまい。
干したエイヒレにも似ているが、それより旨味が上品で、しぶとい。
誰かこの手を止めて、と叫びたいくらい、次々と皿に手が伸びる。
なんという魚かと聞けは、ライコーという。
多分雷魚で、雷魚の小さいやつらしい。
コレをスープにしたらおいしいだろうなあ。
もう一つは、ホタルイカをすこし大きくしたサイズの小イカである。
一つは卵ごと干し揚げたもの、一つは肝と目玉をとって干したものを揚げた料理である(写真2と3)
卵入りもいいが、もう一方が、コレまたやめられない止まらない系である。
干しホタルイカにも似ているが、その1日手前で干すのやめました的な柔らかさもある。
よくよく噛めば、味が 湧き出てくる。
思わず燗酒 と叫べば、店主のビッグさんが、八海山を出してくれた。
いやあバンコクで、肴と燗酒をやるとは思わなんだ。
もうひとつの料理は、グラミといえ魚を丸揚げした料理で、年代物(二年熟成)の特製海老味噌をつけて食べる。
日本で言うところの熱帯魚らしいが、コマイに似ているが、それより優しい味である。
穏やかな滋味を噛み締めて、これまた燗酒を飲む。
なんとAWAを燗酒にしてもらった。
もうここがどこかわからない。
ほろ酔いの気分に、ゆっくり幸せが満ちていった。