シャキシャキシャキ。

食べ歩き ,

シャキシャキシャキ。
ネギが叫び、エキスが弾け飛ぶ。
シャキシャキニュルリ、
ネギの甘いオネバが手を伸ばす。
シャキシャキとろん。
ネギのとろんと油のとろんが一つになって、舌にしなだれる。
シャキシャキごくん。
ちらりと入れたラーメンダレが、酒を呼ぶ。
ネギはただのネギではない。
近所のタケイファームで朝獲ったネギを、昼に出しているのである。
ネギの概念が変わるほど、みずみずしく、歯切れ良く、白いオネバが甘い。
甘さが上品で、なにか育ちの良さが伺える。
上の緑の部分も硬くなく、噛めばスパッと千切れるのである。
命溢れるネギを、歌う料理人がサッと炒めて、タレをちょいかけし、皿に盛る。
「ネギ炒め」200円。
今まで何万軒も店に行ったが、こんな料理は初めて出会った。
ネギだけの料理。
それはネギだけで勝負できるネギがあるからこそ、出せる料理なのある。
五香「13湯麺」