クジラに続いて、下関でアンコウを食べている。
アンコウの胃袋と筍のあん肝味噌和えに始まり、突き出しに始まり、10種類の料理をいただいた。
下関の人たちは、アンコウをよく食べる。
例えば唐揚げといえば、フグかアンコウで、たまに鶏というし、スーパーでも一年中、フグかアンコウの唐揚げは売っているという。
さて。
アンコウの魅力とは、まず、その歯ごたえにあるのではないだろうか?
張った身の中に潜むたくましい歯ごたえや、歯を押し返す骨周りの透明なコラーゲン、軽快に弾む胃袋、皮、、腸、肝なと、様々な歯ごたえが、命を食べている感を加速させるのだ。
10皿のアンコウ料理の中で、最も良かったのが、肝のソテーだった。
別に僕が肝好きだからじゃないよ。
血抜きしたあん肝を一旦昆布を敷いて酒蒸しにし、冷ましてから、ソテーし、玉ねぎ、酒、醤油などによるジャポネソースを絡めたものである。
下は、昆布出汁で炊いた大根を敷いてある。
蒸したあん肝より味わいに膨らみがある、
また肝のいやらしさが微塵もなく、周囲の焦げた香ばしさと中のムースのような甘みが合わさって、白ワインが恋しくなる料理だった。
「布久亭」のアンコウ10皿は別項にて