キノコは僕にとって先生です

食べ歩き ,

「キノコは僕にとって先生です。ずっと料理してきましたが、毎回色々なことを教えてくれる。また森に採りに行っても、自然の怖さや素晴らしさを教えてくれる先生なのです」。
軽井沢「エブリコ」 茸料理のスペシャリスト内堀シェフは、そう、しみじみと語られた。
スペシャリテの、キノコのソテ。
冷たいフライパンに入れ、60度から70度の温度帯で、じっくりと加熱する。
その後、強火にしてパセリやニンニクエシャロットのみじんを絡める。
キノコの余分な水分だけが抜け、味と香りが凝縮した驚異の皿である。
天然えのきの弾けるような食感と味の濃さ、色香を伴った香りに、腰をぬかした夜。