白いキャンバス

食べ歩き ,

カンテサンスの最後は、開店来のスペシャリテ、「メレンゲのアイスクリーム」である。
同じく開店来の前菜スペシャリテ「山羊乳のババロア」とともに、白一色の料理である。
卵白が人の手を経ているのに感じさせず、卵の無垢がそのままアイスクリームになった味わいに、心が撫でられる。
ババロアで手渡された白いキャンバスには、岸田さんの料理が次々と描かれて、季節の色彩で満たされるが、最後は再び白いキャンバスになる。
我々は幸せの余韻だけを胸の内に抱いて、帰路につく。