カリッ度数MAX <京都の平生>38

食べ歩き ,

「何人前にしますか?」
席に座ろうとする前に、お兄ちゃんから突然言われた。
今日は餃子一人前とラーメンと、心に決めていたのだが、とっさに聞かれたので、思わず「2人前ください」と、口走ってしまった。
座る前に餃子の皿数を聞かれて、「一人前」とはいえない。
周りを見ると皆一人で2人前はおろか3人前を食べているものもいる。
隣のおっさんは、3人前の餃子を食べながらビールを飲み、白ご飯を猛然と食べ、食べ終わると、「持ち帰りで5人前」と、大金を使われた。
この店はそんな客たちでごった返している。
カリッ。
餃子に歯を立てると、痛快な音が響く。
すべての焼き餃子はこの「カリッ」が響くが、この店の<カリッ度数>は高い。
通常の店が、65度数だとしたらこの店は92度数ほどある。
カリッ。カリッ。カリッ。
店全体に噛む音が響き渡る。
餡はひき肉とキャベツだけのようだが、肉の味わいが淡く、それがカリッという勇壮と対をなして、何人前々も食べさせてしまうバランスを生んでいる。
タレがまたいい。
酢醤油、辣油、味噌ダレが用意され、好きなように合わせられる。
僕は、酢醤油、味噌ダレ、味噌ダレと辣油。酢醤油に味噌ダレ少し混ぜという四種を作って、楽しんだ。
ううむこれじゃ、2人前じゃ足らないなあ。
でももう一つの人気者、鳥の唐揚げも頼みたいし、どうしようか。
京都「ミスターギョーザ」にて。