エッチなメンチカツに、初めて出会った。
カリッと香ばしい衣に歯が当たり、肉にめり込んでいく。
するとどうだろう。肉汁と共に肉の香りが、艶を帯びて、鼻に抜けていく。
なにかもう、コーフンをあおる香りで、官能をチクチク刺激する。
そこに深みと切れのある赤ワインソースがからんで、さらにエロさを増幅する。
中勢以の熟成但馬牛100%を使ったメンツカツである。
ご飯より赤ワインが、猛然と恋しくなるメンツカツである。
メンチカツは、手抜きなきフレンチの矜持と熟成肉への愛を包んで、手の平より大きい。
そりゃあ、笑顔を生むわけである。
980円。
後楽園「バール・ヴァン・フーゴー」の傑作。