のどぐろの艶 2012.09.01 食べ歩き , 東京 , 白身魚 , フランス料理 Tweet のどぐろには、なにかこう色気みたいなものがあって、舌に甘えるようにしなだれかかる。 「北島亭」のシェフは、そこを熟知しているのだろう。 皮にゴマを貼りつけて焼いたのどぐろを噛もうとすると、皮の猛々しい香りが広がって、白き身がほろりほろりと崩れ落ち、甘く、旨みが追いかける。 半生の火の通し、皮と身の対比、香りの緻密な計算によって、のどぐろの艶が一段と輝き、もう人間はだらしなく笑うしかないのであった。