なんだろう?
癒される。清々しい。
どちらでもあるようで、どちらでもない。
朝七時半。
人気のない、伊勢神宮の外宮にいた。
一歩二歩。
途端に心がこわばりがとれ、浮いた。
天空の静寂が、あたりを清めている。
脳みそが取り出され、山奥の源流にさらされ、邪や雑が抜け落ちていく。
細胞という細胞に、無垢な風が吹き抜けていく。
そんな気高さがありながら、なつかしくもあるのだ。
やがて浮き上がった心は座り、静やかな安寧が訪れた。
温かい。
その時飛行機が飛来した。
はるか上空の微かな轟音ではあったが、心はささくれ、邪と雑が忍び寄る。
神々の力でも現代社会の不自然は、払しょくできないのか。
いや警鐘なのか。
それとも現代社会に甘えている自分自身のふがいなさなのか。