どの料理も精緻でいながらおおらかで、心を整える力がある。

食べ歩き ,

なんともエレガントなひと時だった。
江丹別ブルーチーズのしぶとくも、品のある塩気と、ホワイトアスパラのしなやかな甘みが、優美に溶け合う。
そこへ夏トリュフの軽やかな色香が降り注ぐ。
トリュフやキャビアを使いながらも、石井シェフの料理は、自然や産物への慈愛に満ちている。
自我が出すぎず、てらいがなく、食べる人が参画できる余白がある。
絵画が好きで、自らも習い、器も作られているせいだろうか。
どの料理も精緻でいながらおおらかで、心を整える力がある。
札幌「ル・ミュゼ」 初夏の大地と海への愛にみちた料理は、