つめあま5 西湖・希水・紫野和久傳

食べ歩き , 1日1甘 ,

 

高台寺に本店を持つ料亭・割烹。大徳寺側の典座料理を供す紫野和久傳のおもたせ。

通年入手可能な人気の「西湖」(紙箱十本入り二千六百二十五円、竹籠入り三千二百三円ほか)は、蓮根を用いた餅。

品のある紅梅色の包装紙を解くと、笹包みが描かれた白い箱。

西湖は二枚の笹の葉に包まれ、ちまき風にまとめられている。

笹を解けば、漆黒の西湖が輝きを帯びながら、ぷるると震えて顔を出す。

黒く細長いゼリー状のそれを、楊枝で千切ろうとすれば、ささやかな抵抗を見せながら切れていく。

もっちりとした食感が、歯を包み込むが、それもつかの間、歯を三回ほど動かしただけで、はかなく溶けていく。

幻を見たような食感に呆けていると、和三盆の品のいい甘味が口腔を優しく満たしているのを知る。

「希水」は、笹とオオバコを原料に、林檎の香りをつけた菓子。

西湖同様、ちまき風笹野は二枚に包まれる。

空色の箱に入れられて、五本入り千三百十三円。

半透明な細長いゼリー状。

冷たくぷるんとした希水を舌に乗せて歯を入れると、ねちっとした食感でほのかな笹の香りに混じって、甘酸っぱい林檎の香りが流れる。

甘味もほどよく自然。爽やかではかない、清流を思わせる菓子。六月より八月末までの限定商品。