水まんじゅうは、みちのくの栗の風味を生かした栗あんを、本葛と寒天を主成分とした生地で包んだ饅頭。
日本三大鍾乳洞の一つ、龍泉洞の湧き水をイメージしたという。
せせらぎと笹が描かれた包装紙がかかった蓋を開けると、丸い木箱に入れられた饅頭と、龍泉洞水のボトルが顔を出す。
冷蔵庫でキンと冷やした器に氷を入れ、龍泉洞の水を注ぎ、そこに饅頭を浮かべよう。
これも冷蔵庫で冷やしたスプーンを用意し、まんじゅうを崩して、すくうようにして食べるとよし。
ひんやり、つるん。
生地が唇に触れて破れると、優しい栗の香りを漂わせた丸みのある甘味の栗餡が、舌の上にゆっくりと広がっていく。
冷水の清涼と穏やかな甘味が溶け合い、心が緩む。
饅頭はよりしっとりとしなだれ、自然な甘味と共に安寧を呼ぶ。
昭和元年創業の菓子司。・岩手県岩泉・中松屋の、5月~9月中旬限定の菓子。