これはみかんしかない

食べ歩き , 日記 ,

これはみかんしかない。という気分だった。
鶴岡から酒田に向かう、二両編成の羽越線は、のんびりと広がる田園を駆け抜けていく。
のったりとした光景を眺めているうちに、急にみかんが食べたくなった。
先ほど「あねちゃの家」でもらったみかんを剥く。
さあ食べるよ。とみかんを車窓にかざす。
甘さだけに身を許していないみかんは、酸っぱく香り高く、田園からの光を浴びて、誇らしげで、素敵な潤いを、体に満たしていく。
ああ、生きる喜びは、こんな時にもあるんだなあ。