これが幸せと言わずしてなんと言おうか。 2022.10.28 食べ歩き , 日本酒 , 東京 Tweet ご飯をいただいた後に出されたのは、神亀のお燗だった。平盃に注いだ酒は、うっすらと黄ばんでいる。盃を持ち、ゆっくりと口に運ぶ。酒にそっと口づけすると、甘い香りが広がった。キャラメル香とバニラ香が抱き合って、口の中で揺らめく。酒が突然粘度を増したかのように、てれんと舌に甘える。ふう。これが幸せと言わずしてなんと言おうか。米の奥深いうまみが、心をふくよかにしていく。小川はな食堂での、燗酒師水原マサさんの魔術