あつから2

食べ歩き ,

モダンインドを標榜する、六本木ミッドタウンの「ニルヴァーナ・ニューヨーク」。
この夏食べたカレーの中でも群を抜いていたのが、ラム、鶏、海老、カジキマグロ、野菜から具を選ぶ、「南インドゴア地方のスパイシー煮込みカレー」2300円。

口に入れた瞬間、刺激が口内を駆け巡るほど、相当に辛い。
辛いが、辛いだけではない。

塩気が舌に当たらず、味に複雑な深みがあって、それがまろやかな酸味とのバランスよく溶け込んでいる。
食べ進むにしたがって辛味の中から顔を出すこれらの要素が、身体を前のめりにさせ、次第にコーフン状態に追い込み、気がつきゃあ一心不乱。
のめりこんで抜け出せない味沼にはまり込んでいるというわけ。

具のラムも、しっとりとしてうまみが逃げておらず、ラム肉特有の香りがカレーの香りと抱き合って、高みに登ろううとしやがる。
ああ、値段は高いが、たまらん。

これにインドの香り米「バスマティライス」500円を合わせりゃ、もうあなたは彼方へ飛んで、戻ってはこれないぞ。