博多 「手音」

〜真実のアイスコーヒー〜

食べ歩き ,

〜真実のアイスコーヒー〜
舌の上にアイスコーヒーが、ひんやりと流れ込む。
まだ飲み込まない。
舌の上に置いたまま冷たさを楽しみ、ごくんと飲み込んだ。
その瞬間にコーヒーが顔を出す。
香り、苦み、酸味、甘味。
温かいコーヒーと寸分変わらない、コーヒーの味わいが膨らんでいく。
これこそが、真のアイスコーヒーである。
冷たくしたシェーカーに、コーヒーを淹れる。
そして特製の氷型の上で、何度も回していく。
コーヒーは.急速に、柔らかく冷えていく。
次に氷を大きくかち割り、タンブラーにいれ、冷たくなったコーヒーを注ぐ。
冷たいので、氷は最後までとけない。
水に薄まらない、濃い濃いアイスコーヒーは、口内の温度で目覚めて、風味という命を蘇らせる。