熊本「アンティカロカンダミヤモト」

〜マンマの味〜

食べ歩き ,

〜マンマの味〜
そのレバーパテは、なぜか懐かしい。
「ばあちゃんは、料理上手で、レバーを鉄鍋で赤酒や醤油を入れてよく炊いていたんです。これはその味を頭に描いて作りました」。
宮本シェフはそう言って、柔和な笑顔になった。
和の調味料入れていない。
だが彼方に和のニュアンスがあって、それが懐かしさを引き連れてくるのだった。
次は馬肉の料理である。
コウネのラルドや馬刺しに混ざってジャーキーがあった。
「これもばあちゃんが、馬モモを醤油と赤酒につけて、よく干していたんです。その味を再現したくてジャーキーを作りました。また僕ら兄弟は、ばあちゃんがギアラを炊いていた汁が大好きで、それも再現して、ジャーキーにかけました」。
もうこう聞いたら噛み締めるしかない。
噛んで噛んで、ばあちゃんの愛ととシェフの思いを、舌に、体に満たすしかない。