虎ノ門ヒルズステーションタワー「ピュウ・ファロ」のパスタにやられた。
パスタ担当は、剣道二段26歳の虎之助君である。
一枚目で手に持っているのが、サルサポモドーロ、2枚目で手にしているのが、カルボナーラである。
まずカルボナーラからいった。
メニューには書かれているのだが、虎之助カルボナーラという裏メニューがあって、それがおいしいと聞いたので注文した。
「はいっ。ありがとうございます」。
体育会らしい快活な声で答える。
虎之助カルボナーラは、卵とチーズが完璧に溶け合い、とろんとろんになってパスタにからんでいる。
なにより玉子の甘みが前面に出ていていい。
その甘みを、挽き胡椒ではなく潰したミニョネットの香りが引き締める。
これでお腹パンパンになったはずが、なぜか逆にお腹が空いてきた。
「うまいパスタは、腹を空かせる」ダソウ・ウンゲロッティ。
そこでサービスのヨッシーに、「店のパスタは全部食べた?」と、聞く。
「はい」と答えたので、「君の一番好きなパスタはなに?」と聞けば、「トマトソースです」と、答えるではないか。
そこで、連れが制するのを無視して、「トマトソースもお願い」と、虎之助くんに頼む。
「はいっ。ありがとうございます」。
前回よりさらに声が大きくなった。
そんな返答が気持ち良いと、もっと頼んじゃうぞ。
トマトソースは、注文が入ってからお日様農園のトマトを潰して作る。
だから酸味と甘みが生き生きしている。
太陽の香りに満ちたトマトソースである。
カルボナーラより麺が太かったので、「麺を変えたの?」と聞くと
「はい。カルボナーラはデチェコですが、トマトの味を太い麺で受けたかったので、ボイエッロに変えました」。
やるな。虎之助。
見事に、抜き胴が決まったぜ。
一本!!