〈幸せという名の料理〉
ラープは、ラオスやタイで食べられる料理で、魚や肉のサラダである。
では料理名の意味はなんだろう?
園さんは、現地の人に聞いてみた。
「ラープとは、幸せ、健康、いい家庭という意味です」。
そして、冠婚葬祭やおめでたい日に作って食べるのだという。
なんと素敵な料理だろう。
今日は真鯛のラープだった。
「魚はセリ科、肉はネギ科の野菜や香草を合わせます」。
今夜はパクチー、セリ、クレソン、スペアミント デイル チャービルが鯛と出会う。
よくよく混ぜ食べる。
カオニャオをつけながら食べる。
口に、喉に、食道に、爽やかな風が吹き抜ける。
毒素が抜けて、体が澄んでいく。
ほんのりと、生きている喜びがせりあがる。
幸せという意味を噛み締める。
鳥越 アンドシノワースにて。