百合根

食べ歩き

バターの豊かな香りをまといながら、百合根は高らかに歌っていた。

生を謳歌し、大地を誇りながら、朗々とした歌声を響かせる。

口に運べば、ほっこりと崩れ、豊満な甘みを広げていく。

その甘みには、慈愛が満ち満ちて、地平線の彼方まで優しい。

マッシュルームや加賀蓮根などを刻んで混ぜ込んだバターソースが、甘みを称える。

じっくりじっくりと加熱されてきた百合根は、今頂点に達しようとしていた。

「オーブンから出した百合根を、そのまま僕の口に突っ込んでください」。

美味しさにコーフンして、妙な冗談を口走ると、二人のシェフは嬉しそうに、優しい笑顔を浮かべた。

金沢「レスピラシオン」 「Raiz月光百合根」