危険な餃子

危険な餃子である。
腹一杯夕飯を食べていても「ちょっと寄ってこか」と店に入ると、一人前でやめられず、たちどころに3人前は食べてしまう。
魅力は、軽やかさである。
油半身浴で、揚げ焼き蒸ししているのに、油っこさがない。
0.4ミリの薄皮は、サクッとカリッの間で焼かれている。
さらに餃子の両端の耳部分は、両端がサイズも揚げ具合も同じで、ガリッとカリッの中間の食感である。
つまりまだ白い蒸されただけの皮と合わせると、三つの食感が、口の中で響き合う。
さらにたっぷりと詰められた餡は、豚ひき肉、ニラ、キャベツ、にんにく、生姜で、鶏油と芽を取ったにんにくを回して混ぜ込んであるので、コクがあって臭くない。
噛めば、ふわりとしていながら、キャベツがシャキッと弾む。
小さい餃子の中に、四つの楽しみが含まれている。
これも、営業時間中に包み続けている職人の技があってのこそである。
皮のやや左に餡をおく。
そして、その餡をわずかに押し出しながら糊として包んで行く。
パンパンに入っているので、左右の耳はしっかり閉じなくてはいけないが、左右の差を作ってはいけない。
餡の量は、1グラムも狂いなく。
1分以内に2人前14個、つまり一個を4秒で包む。
さらに、おそらく誰も知らないであろう秘密があった。
この餃子、この冬の寒く、湿気の少ない時期が、最も香ばしく、カリリと仕上がるのである。
そのため室内の店は外気を入れているが、それでも屋台には敵わない。
コメント欄にあげた写真は、ひろめ市場の同店だが、外気を全く入れることのできない状況なので、まったく違う。
「安兵衛」の餃子を食べるなら、本店でも、恵比寿でもなく、やはり冬の屋台に行かねばならない。