インドでワシも食べた⑥

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インドでワシも食べた⑥
デリーの最初の朝食は、カリムホテル本店で。ホテルといっても、インドでは宿泊施設ではなく、食堂なのだ。
オールドデリーの路地奥にあるこの店は、昼は外国人客で混むが、朝はさすがにインド人(たぶん)しかいない。
出来ますものは、羊の膝骨カレーの骨付きPayaか、骨なしNahariの二種類。
はあ?それだけですか。
ではナハリを頼もう。
表面に浮いた脂がすごい。
隣のインド人を見ると、スプーンで事前にすくい、小皿に捨てている。
なるほどその手があったかと真似をして食べる。
この朝食は、スパイスの刺激より油のまろやかさが舌を包み、目覚めを誘う。
丸い甘みが潜んでいて、酸味も苦みも少ない。
添えられたレモンを絞ると、油っぽさが緩和され、さらにうまくなった。
膝肉だが柔らかく煮こまれ、クセがない。
もっちりとした歯応えで、噛んでいるとじわじわ羊の羊たる匂いが出てきて、余は嬉しいぞー近こう寄れと叫びたくなる。
添えられるのはナンと店の人は言っていたが、チャパティーと中間のよう。
ベーキングパウダーの匂いがして、少ししょっぱい。
失敗して固く焼いちゃったパンケーキのようでもある。粉粉もしている。
それもそうだ、伸ばし立て、焼き立てであるから。