杭州でもワシは考えた。

食べ歩き ,

杭州でもワシは考えた。
アウディA6、BMW535、カイエン、パサート、メルセデス。
どの車も汚れている事をのぞけば、多くの日本車に混ざってドイツ車が走る姿は、東京と変わらない。
ここは杭州だ。
高速脇の看板は英語だらけで、その中を、「エアポート」と何回伝えても、「こいつ、なに言ってんだ」と目を丸くして、まったく英語を理解しないタクシーの運転手が、僕を乗せてひた走る。
飛行機の絵を描いて、ようやく通じた運転手は、全窓全開でぶっ飛ばす。
シートベルトをしようと思ったが、キャッチャーがない。
ここは杭州だ。
昨日の夜は八時半だというのに、ホテルのレストランはクローズしたので、街のただ一軒やっていた店に飛び込んだ。
家族経営のワンタンと麺類、丼飯の定食屋だ。
頼んだ「豚モツ麺」は、老鶏のきれいなスープで塩加減がいい。
茹でた白モツとチンゲンツァイ、枸杞、蓮の実が入って舌に優しい。
そこに細い卵麺がからむ。
9元。135円。
ああ、ここは杭州だ。
ホテルはwifiが無料だけど、FACEBOOKはつながらない。
ここは中国だ。
空港でも試しにレストランに入って、ワンタンめんを頼む。
スープにもワンタンの具にも、旨味調味料がたっぷり入った麺をすすりながら
昨夜の麺を懐かしむ。
米麺はたよりなき食感で、ワンタンは雲呑と呼ぶには皮が厚い。
そして値段は、90元。
虚と実が入り交じった杭州で、僕は一人ため息をついた。