最近の冷やし中華は

食べ歩き ,

最近の冷やし中華は少し威張ってないか。
トマトいらない。蟹いらない。クラゲいらない。鶏肉いらない。海老いらない。
叉焼もしくはハム、胡瓜、錦糸卵、蒲鉾(もしくはナルト)、紅生姜。
それだけでいい。それだけでいいから少し値段を下げてくれ。
かつて中野にあった「高揚」の具は、胡瓜だけだった。
いかに麺とスープに自信があったかということだろう。値段は、高かったけどね。
シンプルな冷やし中華が少なくなったが、昭和八年創業、日本橋「大勝軒」の「冷やしそば」は、まだ素朴なまま、昔の匂いを漂わせている。
具は、胡瓜、錦糸卵、ハム、紅生姜。完璧である。
甘酸っぱいタレも、やや縮れた麺も完璧である。
先日はうっかり、「上冷やしそば」を頼んでしまった。
ハムの代わりに叉焼、そしてクラゲと海老、もやしが加えられている。
クラゲの参戦は許そう。ただ海老ともやしはいらないが、エビが二つというもの可愛く、もやしが煮しめてあるところが芸が細かい。
だが出来心で上を頼んでしまった自分の不甲斐なさを嘆いた。
もっともこのラインナップで、並より250円高いだけというのが不思議である。
ということで季節外れの話題でゴメンなさい。
半袖でも過ごせる10月末に、急に食べたくなったもので。