ベトナム風定食屋の所作
ハノイ救済報告VOL15
「昼は定食屋に行きたい」。
朝食を五食食べた人の発言には少しもたじろがず、彼は答えた。
「ようがす。現地の人しか行かない店に行きましょう」。
VINH THUヴィンチュでは、すでに正餐のピーク。
表まで人が溢れ、飯を食っている。
中に入ると(といっても門を潜った屋外だが)、
大皿に盛られた料理が40種類ほどずらりと並んだ大テーブルがある。、
「これとこれちょうだい」と、指差すと
おばちゃんたちが、そのまま盛ったり、温めなおしたりして、
中学生くらいの女の子たちが運んでくる。
カメラを向けたら、顔をそむけて、はにかんだ。
惣菜を目にしたら止まらない。
「うん、これちょうだい、こっちも入れて」と、朝食五食とは思えぬ、あれもこれも状態。
結果テーブルにずらりと並んだのは、
① 皮がカリリと香ばしい「皮つき豚肉の焼き物」
② にんにくと香菜の香りが効いた、「豚内蔵(コブクロと肺)の炒め」
③ 食感が優しい「茹でた隼人瓜」
④ バナナが芋のような味わいを醸す「白身魚と未成熟バナナの煮もの」
⑤ 日本のかれいの煮込みのような味付けの「雷魚の煮付け」
⑥ 小さく丸い「茄子の漬物」
⑦ 淡い中に味が複雑「空芯菜と蟹とタロイモのスープ」
⑧ エゴマのような香りを放つ「豚肉の葉っぱ包揚げ」
⑨ 淡い味付け「ニガウリの豚ひき肉詰めスープ」
⑩ 甘酸っぱい味付け「空芯菜とミントの炒め」
以上10皿。
味付けも調理法もバラエティに富まして選んだのが、我ながらエライ。
取り皿はない。
おかずをとって、ご飯に乗せて食べる。
色々混ぜる。
混ざり合った煮汁やら炒め汁に、ご飯が染まっていく。
うまい。
食欲の核心を突く、温かく優しく、逞しい味付けだ。
おかずを食べたら次はスープの出番。
ご飯を脇に寄せ、スープを注ぎ飲む
次にご飯を浸す。
ザブザブッ。
おかずを再びのせる
ザブザブザブッ。
掻き込む手が加速する。
止まらん。
腹いっぱいなのに止まらない。