ハノイ報告vol9ブンズィウ

食べ歩き ,

ハノイ報告vol9
ブンタンとソイガーの店を出て、バインミーを目指す。
路地を歩いていると、
一軒の店(というより道端に鍋を置いただけなんだけどね)に目が止まった。
「ブンズィウだ!(BUN RIEU)」
蟹汁のブンである。
田んぼの小さな蟹をすりつぶし、トマト、香草、揚げ豆腐、揚げ玉葱を入れた北部名物。
出会ったからには食べにわけにはいかない。
「おばちゃん、ブンズィウ一杯ね」。と道端に置かれた椅子に座りこむ。
(ほんとはジェスチャーだけどね)
ほうら、うまそうじゃないですか。
丼からほんのり立ち上がるは、蟹の香り。
蟹のダシとトマトの酸味が、ぴたりとはまっている。
すごいぞおばちゃん。
ここにバジルと、レタスみたいな葉っぱの細切りをこんもりとのせて。
揚げ豆腐の食感のアクセント。
味はしない白い蟹の身。
葉っぱの香り、みずみずしい食感。
揚げ玉葱の香り。
この複雑で精緻な味わいがたった100円。
卓上のラー油、酢をちょいと垂らして味変化。
うーん止まらん。
同行の人たちからも箸が次々伸びて、あっという間に無くなった。