昨日、立教学院設立150周年のイベント、「ザウィリアムズデイ」が、立教大学の講堂タッカーホールで行われた。
第一部は、同級生の古舘伊知郎氏司会で、総長と学芸員による設立者、ウィリアムズ主教の知られ得ざる逸話が話された。
ウィリアムズ主教は幕末に来日し、高杉晋作や大隈重信らに英学を教えた人物であり、1874年築地に立教学校を作った人物である。
その頃来日した主教はみな、邸宅を与えられて住んでいたが、清貧を尊ぶウィリアムズ主教は、学校の宿舎に一人住んでいたという。
ある日学生が、自分の部屋が日当たりが悪いのでなんとかしてほしいという嘆願書を出したところ、翌日自分の部屋にウィリアムズ主教の荷物が運び込まれた。
また一年中同じ黒い服を着ていたウィリアムズ主教に対して、そのほころび方を見かねた人が、「裏返して着られたらいかがですか」と進言すると、彼は「一度裏返しています」と、答えたという。
また必ず3号車にしか乗車せず、なぜ3号車しか乗らないのかと尋ねれば、「4号車がないからです」とユーモアで返したが、その実は3号車に乗る、裕福ではない人々の話を聞くためだったという。
そんな素晴らしい希少な逸話を聞く。
第二部は、徳光和夫氏、古舘伊知郎氏から、日本テレビアナウンサー上重聡氏、宇賀なつみ氏、南沢奈央氏、高見侑里氏、在学生でタレントの浮所飛貴氏ら各界で活躍する著名人13人がトークイベント。
古舘伊知郎氏得意のツッコミが会場の笑いを誘う。
中でも感動を呼んだのは、巨人長嶋茂雄終身名誉監督(87)からのメッセージを、徳光氏が代読されたときだった。
「私は立教大学経済学部卒業ですが、正確には立教大学野球部卒という4年間でした。〜中略〜池袋キャンパスの思い出は水曜日の礼拝です。チャペルを出ると、1人の美しい女子大生が我々野球部の前を通り過ぎていくのです。その女子大生こそ、野際陽子さんでした。改めてわがセントポールは永久に不滅です」。
さらに、卒業生で11月に亡くなった、作家の伊集院静氏について徳光氏はは「長嶋さんの伝記を執筆中でした。志半ばで天に召されてしまって、誠に無念です」と、悼まれた。
そして第三部は、立教大学、女子学院出身者によるスーパーバンドの演奏である。
ムーンライダーズの白井良明氏をバンマスに、同バンドの武川雅寛氏、同級生の里村美和氏、シシド・カフカ女史、そして佐野元春氏によるライブである。
なんと「約束の橋」、「サムデイ」、「アンジェリーナ」を歌い、「子供たちに平和を願う歌として書きました」と、戦争に満ちた世界を憂い「クリスマス・タイム・イン・ブルー」を歌う。
アンコールでは「ヤング・ブラッズ」を。
第三部構成演出も同級生の木崎氏、その他キャステイング、映像制作なども、各回で活躍するプロによる、心温まるイベントだっった。
最後に古舘氏が冗談で言った「くされボンボン」が多い学校は、徳光氏が言う「立教出身の人帯は野心がないんだよね」という言葉が印象的だった。