〈マカロニサラダの明日〉
先日市川紗椰さんと、マカロニサラダの話となった。
彼女いわく、昔は、ポテトサラダが美味しい店はいいとされていたのだが、今は皆 ポテトサラダを売りにして、様々な独創を入れ、主役にしているせいで、面白味がなくなってしまったという。
合点した。
僕が、ポテトサラダの研究を始めたのは、どの店もそんなに大差はないが、オーソドックスなスタイルの中に、細かな工夫や差異があり、そこを突き詰めるマニアックな視点が、楽しかったからである。
日陰の花というか、決して主役になりきれないいじらしさを愛していた。
ところが今では、いつのまにか主役の座に躍り出て、バリエーションも増えすぎてしまった。
オーソドックスなポテトサラダではウケない時代になってしまったのかもしれない。
彼女いわく、その代わりに注目しているのが、マカロニサラダだという。
さすが、視点が素晴らしい。
どこかおいしいところはありますか? と聞かれて、二つの店を答えた。
「そよいち」と中野の「ブリック」である。
「そよいち」のそれは、ファンが多い。
知っている客は、必ず「サラダ大盛りで」と頼む。
人参とマカロニだけだが、美味しさの秘密は、自家製マヨネーズにある。
考案した先代は、秘訣はゲッツの油を使うことだと言っていたなあ。
さてこのマカロニサラダのお作法だか、
1.まず素のまま食べる。
2.辛子を少し混ぜて食べる。
3.ウースターソースちょいがけ。
4.とんかつソースちょいがけ。
5.ポークソテーを頼んだ時は、醤油ソースによくよく絡める(それ故にポークソテーを頼むという説もある)。
6.後は、2から5の組み合わせである。
僕は、気持ちウースターと辛子が好きだ。
あっこれでは主役になっちゃうか。
「ブリック」は閉店